母子手帳が心の支えになる
昨年、私は初めて母子手帳を手にした。我が子と私をつなぐアイテムだ。今どきの可愛らしいキャラクター表紙に、特別なイベント感は感じたよ。
産婦人科で検診の度、助産師さんが体重や血圧を書き込み、それは若干嫌かも。
そんな時、テレビのドキュメンタリー番組で、20代の社会人なりたてで上京してきた女の子が、取材されていた。
都会に一人、夢に向かい生きる彼女が、仕事で疲れ帰宅。一人で眺めていた物こそ、母子手帳。母子手帳に丁寧に書かれた彼女の成長記録から、親の愛情がひしひしと伝わる。
すでに亡くなってるそう。母子手帳を見る度に「自分が愛されてる存在」であると気付かされ、それを励みに頑張るという。
そんな姿を見て、空白だった胎児の記録に、せっせと書き込み始めた。自分の親にもお願いし見せてもらったところ、やはりびっしりと文章が書かれ、きちんと予防接種へ行った記録がある事に誇らしげ。
いつか自分の息子が大きくなった時、自慢げに手見せたい。心の支えになればと、ひそかに願いを込める。